組写真の魅力 #032
ドラマチックな組写真に感服させられることがある。
その写真は、一枚で語り尽くすのか?
写真を作品として表現する時の大切な「問い」である。
撮影時にテーマを決めて臨むのと同じように、撮影後の
それぞれの写真(単写真)をどのように見せるかを考える。
写真表現には、「組写真」というカテゴリーがある。
複数の写真を組み合わせて総合的なストーリーを訴求する。
一枚の写真からでは伝わらない情趣、心情を感じてもらう。
「メッセージ性」が絶妙にブレントされた世界観に浸れる。
心を動かす「組写真」を創り上げるのに必要なことは?
何を伝えたいのか?(「狙い」とも言う)、何枚で構成する?
(2~5枚)、写真の順番と並べ方は?リズミカル。主役と脇役。
被写体との距離感を表す「寄り」と「引き」の効果。色合い。
メリハリ。望遠の圧縮効果と広角のパースペクティブ効果。
主観的視点と客観的視点。ボケとシャープネス効果。記録性。
同地点時系列(時間、四季、過程・・・)。臨場感。統一感。
人物と物品。被写体の造形。連想させる。意外性。起承転結。
相反する物・状況(動と静、雨と晴れ、光と影、俯瞰と仰視
(ぎょうし)、明暗など)。独自のストーリー。他。
「組写真」は、上記の要素をバランス良く組み合わせて
「狙い」に適した独自の世界観を構築していくことである。
少々難しそうだが、研ぎ澄まされた「写真の短編小説家」に
なったつもりで取り組んでみると楽しい。
組写真のクリエーターは、まさに写真小説家!

融合~都市に映る蒸機/品川駅 2002/07/06
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